乳がん検診(エコーやマンモグラフィ)は20代の女性には必要ない?がん専門医が認めた新常識とは?

週刊文春オンラインにとっても衝撃的な記事が載っていました。
がん検診について、若い人にとっては被害が大きいので検査方法を見直してみては?と警告しています。
この記事では乳がんを事例にとって説明されているので、女性にとっはとても興味深い内容になっています。がん専門医が認めた新常識と副題がついているこの記事の内容について、詳しく紹介していきます。
この記事は以下の記事を参考に書いています。
芸能人のみなさん、SNSで安易にがん検診を勧めないでください
目次
乳がん検診に20代30代の女性が殺到するわけ
最近の乳がん検診には20代30代の若い女性が殺到しています。
その理由は乳がんになった芸能人がSNSなどで「乳がん検診に行きましょう」と呼びかけていることが大きなきっかけになっています。
最近では、北斗晶さん、小林麻央さん、女優の藤山直美さんも乳がんであると報道されました。
やはり乳がんになってしまった方々は、早期発見が大事だということがわかっているので、自分の体験からも「早く乳がん検診に行きましょう」と、訴えているだと思います。
私にも乳がんになった友人が数名いるのですが、皆声を揃えて、「早く乳がん検診に行かなきゃダメだよ」と、勧めてくれます。
確かに乳がんになった人からの話を聞くと、やっぱり早めに乳がん検診しないとって危機感を覚えます。それに乳がん検診を受け、何もなければ安心するって言うのもありますからね。
しかし、乳がん検診には実は推奨年齢があると言うことを皆さんご存知だったでしょうか?
乳がん検診マンモグラフィーの推奨年齢は?
国のガイドライン(国立がん研究センターの資料)によると、マンモグラフィ単独法の推奨年齢は40~74歳、マンモグラフィと視触診の併用法は40~64歳となっています。
参考資料⇒国立がん研究センター
なんと、国が推奨している乳がん検診は40歳以降と言うことになります。驚きの結果ですよね。
さらに衝撃なのは、超音波(エコー)検査をがん検診(対策型検診)として行うことは、どの年齢でも推奨されていないのです。
あなたは、このような事実を知っていましたか?
私はこの資料を見るまでは、全く知りませんでした。そもそも私は乳がん検診の推奨年齢に入っているので流し読みでもいいですが、20代~30代の若い世代にとっては他人事であありませんよね。
では、なぜ若い世代にとって乳がん検診やがん検診はすすめられないのでしょうか?
20代~30代の女性が乳がん検診が推奨されない理由
なぜ若い世代に乳がん検診やがん検診が推奨されないのかと言うと、まず第一に放射線被ばくによる発癌リスクです。
放射線被ばの発がんリスクについては、予測が出来ますよね。福島の原発事故以来、放射線の被ばくについては、いろいろと議論されていますから。
この放射線の被ばくによる発がんリスクは、年齢が若いほど高いとされていることからも、若い世代の乳がん検診は推奨されていないのです。
次に挙げられるのが乳がんの過剰診断です。
乳がんやがんが早期発見された場合、自然に消えてしまったり、大きくならないもの、大きくなっても命取りにならないものなど、さまざまなものがあります。
しかし、がんがこのまま命取りになるかどうかは、現代の医学では見分けることが出来ません。なので、がんが発見されれば、最善の事を考えて、ほとんどの人が手術、放射線、抗がん剤、ホルモン剤などの治療を受ける選択をします。
そういう選択をすることは当事者や家族にとっては致し方ないですが、驚くことに米国では乳がんのうち約3分の1が過剰診断だとされています。
過去30年の間に、約130万人もの女性が、必要ない治療を受けたと推計されていまます。
この結果を受けて、あなたはどう思いますか?
乳がんの専門医が語る脱乳がん検診神話のすすめ
2015年12月11日付の「日経ヘルス」で、聖路加国際病院乳腺外科部長の山内英子医師も、次のようにコメントしています。
「そろそろ、必ず検診に行かねばならないという“がん検診神話”は捨ててほしい。乳がん検診の場合、発症リスクの低い人が検診を受けることで、過剰診断や偽陽性、被曝のリスク、精神的な負担などの不利益が、検診による利益を上回ることも。発症リスクを考慮して、必要な人が、その人に合った方法で検診を受けてほしい」
出典 日経ヘルス
これらの結果を踏まえて私たちは、乳がんまたはがん検診についてしっかり考えていかないといけないですね。
まとめ
乳がん検診の推奨年齢は40代以降であり、20代の場合は被曝などによるリスクの方が大きい。
最近ではがんの専門医も新常識としてがん検診について、その人に合った方法でがん検診を受けて欲しいと訴えている。
いろいろと考え方があると思いますが個人的には若い人が乳がん検診をする場合は、まず触診からはじめるほうがリスクを軽減する。そこで異常が発見されれば、次のステップへすすむ。
しかし、家族にがんになった人がいる場合などは、がん検診を受けることにより、安心感を得られるのであればそれはそれでアリかと思います。
つまり、自分自身で責任を持って考えて行動するのみです。